都内花見ポタとその後の事故

自転車に乗っているときに事故をおこしてしまった。自転車ではけっして事故を起こしてはならない、と誓っていつも慎重に走ってきたが事故は起こった。今回の事故の内容を公にするのは恥ずかしい限りですが自転車の特にロードバイクの持つリスクを改めて知っていただたく書いてみた。

 

 

某自転車クラブの企画で都内の桜の見物があったので参加。最近はランニングが主体で自転車にはあまり乗っていなかったが5月にはブルべで400kmを走る予定だったので自転車に馴れる一歩として早朝から自走で40km先の東京駅前に集合。

 

終日、のんびりと都内の文京区、板橋区を中心に各所を回った。帰りも自走で戻り、自宅まであと2kmの地点で残堀川沿いにある遊歩道に入ろうとした。

 

夕方の5時半頃だったと思う。正式には車止めの間をすり抜けて舗装された遊歩道に入るがここの車止めは狭く通りにくい。そこでその脇を抜けて遊歩道の側面から乗り上げるようにして入っている。その時も同じように脇から入ろうとした。土の部分を2,3m走ってから舗装された遊歩道に入る。この土と遊歩道の境目は段差ができていた。多くの自転車がここの脇道を通るので土の部分が少しづつ削られて段差ができている。これは知っていた。この段差は通常は実用車で走っていると問題なく乗り越えてきた。その時も同じように乗り越えられると思ってゆっくりと進んで行った。

ところがこの段差で前輪がロックされた。

次の瞬間、ヘルメットがコンクリートに打ち付けられるのを感じた。その瞬間は理解できなかったがこの時に後輪が浮き上がって前方に半回転し頭から落ちたと思える。

 

落車した直後は仰向けに倒れた。見上げると青空が綺麗だった。

 

直後は手足を動かそうとしたが動かなかった。たまたますぐ後ろを自転車で走っていた高校生くらいの男の子が「大丈夫ですか」と声をかけてくれた。体を動かそうとしたが動かない。数分してから足が動くようになった。ところが腕が動かない。この時になってようやく事態の重大さを感じた。

 

何と言う事故にあってしまったのだろう。その男の子が救急車を呼んでくれるとのことなのでお願いした。ところが遊歩道の途中なので場所の説明がむつかしい。その内に地元のかたと思える男性が近くの橋の名前を挙げてくれた。

 

それほど待たないうちに救急車が近くまできてくれた。ストレッチャーに乗せられて救急車の中に入って待った。いくつかの救急病院に連絡しているが土曜日の夕方でなかなか受けてもらえる病院が見つからないようだ。それでもさほど経過することなく目白第二病院に搬送されることが決まった。場所だけは知っている病院だ。病院に向けて出発。自転車は近くの交番から駆けつけた警官が引き取って保管してくれるとのこと。

 

病院までは10kmたらずの場所なのですぐに到着。すぐに首のレントゲン、頭のCTスキャンをした。初期判定では頚椎骨折とのこと。栄養剤とステロイドの点滴が始まった。ステロイドは怪我をした部分の炎症を抑える効果があり、一般的な治療方法らしい。

 

個室に通されてここのベットに寝かされた。この間、首を固定しているので病院の天井だけが視界に入っている。首を装具で固定して上を見て寝るだけの生活が始まった。両腕の肩から下の外側がチクチク、ヒリヒリと指すような痛みを感じている。腕の内部も刺すような痛み。指先の感覚は変わらない。その晩は腕の痛みや興奮であまり寝られなかった。

 

 

 

事故の状況

事故を起こした場所はいつも実用車でで通っている慣れている場所だ。段差があることも知っていた。実用車では問題なく乗り越えてきた場所でなぜ今回は前輪がロックされたのか。考えられる理由は、重心の位置が実用車の場合よりも上前方にあることによると思う。これにより、前輪がロックされた時に後輪が簡単に浮き上がって前方に半回転したと思える。ペダルに乗って腰を浮かしていると重心は下がるがこのときはしっかりとサドルに座っていた。

 
乗っていたのはTrekマドンでバイクの重さは約8kg。それに対して実用車はその2倍くらいある。この上に約65kgの体重が乗っていた。これで重心はTrekの方がかなり上になる。さらに、実用車の乗車ポジションと比較してロードでのポジションは前傾姿勢が強く重心が前方になっている。
この二つの要因により前方に回転しやすくなっていたような気がする。
この差を理解せずにいつものように通り過ぎようとしたことで事故が起きた。
事故時のスピードは歩く速度。それにもかかわらず後輪がいとも簡単に浮き上がってしまった。ロードバイクで段差にぶつかった場合の危険性がこれほどとは思いもよらなかった。

 

下の図を参照(英語サイトに投稿した図を流用してます)

症状

頸髄の損傷。非常に危険なけがだったが幸いにも影響は右腕のみだった。日常の動作はほぼできるが方向によっては力が入らない。物を持ち上げる力が弱いヤワな男になった。どこまで回復するかは不明。天に祈るのみ。

治療

救急病院では丸三日間ステロイドの点滴を受けて首を動かさずに寝たままだった。当初は口からの食事はなく栄養剤の点滴のみ。二日目の後半からお粥が始まった。ベットを30度だけ起こしてスプーンで食べさせてもらった。四日目になってベットから起きてみた。最初は頭がフラフラしたが次第に歩けるようになった。
ステロイド投与以外の治療はなかった。これ以外には治療はないようだ。
あとはリハビリで神経系等を復活させるわけだがどこまで復活するかは「神のみぞ知る」の世界らしい。

 

 


まとめ

自転車は危険と背中合わせの乗り物であることは充分に理解していた。車道を走っている場合の自動車との接触、衝突。歩行者とのこと接触にともなう転倒。今回のように他を巻き込まない転倒、衝突事故。自転車は実に快適なそしてたのしい乗り物だ。しかしこうして一旦事故が発生すると生身の人間が放り出されることになり大きな怪我を誘発するリスクは高い。

そう思ってきたので自転車に乗る時には慎重の上にも慎重をきしてきた。交通規則をまもるのは勿論、可能な限り車のドライバーを刺激するような走り方をしないようにした。歩行者が近くにいる場合は最徐行。路面にも注意を払っていた。それでも今回のような事故が起こってしまった。

今回の事故のように前輪がロックしてから体が前方に投げ出されるリスクは充分にある。走行中に穴にはまるとか、障害物に当たるとかで前輪がロックするリスクは高い。今回は特別に高速でなく歩く速度で走っていた。それでもこれだけの事故につながった。

今後、どのようにしてこうしたリスクを無くすことができるか。現実的には路面の状態が常に完璧であることはあり得ない。工事中の路面もある 、補修されていない路面も多い。段差はいたるとこにある。こう考えるとリスクはなくならない。

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    FOX (土曜日, 19 5月 2012 14:57)

    あらためて見ました。
    起こるべくしておきた事故ですね

    この段差なら角度によっては当然引っかかるでしょうね

    ボクも疲れてくると
    ひょいっ!ってハンドル上げて
    後輪もフっと抜重させて
    ってことができなくなって足ついて越えます

    けっきょく、お見舞いに行く機会を作れずに
    今日に至ってます。

    お大事になさってください。