夏休みの宿題、渋峠を自転車で登るということはダイナミックでした

白い雲が沸き立つ青空の下で高原を走ってみたい、と言うのが夏になると思うこと。今年も8月に渋峠に行く計画を立てたが残念ならが悪天候の予報で中止。その宿題を先日9月7日に済ませた。そう、思い描いていたそのままのサイクリングを楽しんで何とも幸せなひと時だった。
オーストラリアのプロジェクトも立ち上げることができひと段落。天気予報もしばらくは太陽マークがつづいていたので遅い夏休みを取って出かけた。早朝、暗い中出発。新幹線で軽井沢駅に降り立つと空気がひんやりとして半袖シャツだと寒いくらいだ。気温13度とあった。見上げると青空が広がっている。一人旅の時の期待感と不安感が一気に広がる。

 

 

 

中軽井沢から146を北軽井沢に向かうとここで最初の400mの登り。途中、浅間山も青空にくっきりと見える。146はそれなりに大型車も多いので登り切ったあとは途中から別荘地帯のう回路を走った。北軽井沢ヒルズホテルのちょっと手前わかされ茶屋と言うところで左にはいる。分かりにくいがここからは気持ちのいい木陰の下り坂が続く。これだったら夏でも比較的涼しく走れるいいルートかも知れない。途中でいくつかの分岐があるので迷いやすいがGPSが案内をしてくれた。
  
一旦、吾妻線まで下ってからはいよいよ白根山までの1500mの登りが始まる。嬬恋村では高原野菜の手入れで忙しそうだった。1時間ほどで草津町に到着。草津にはツールド草津で過去4回も来ているので町内はスキップ。天狗山スキー場でランチ。すぐ近くにあった大きなベルツ温泉センターは閉鎖されていて、いつも使っていた大きな駐車場にはペンペン草が生えていて寂しかった。今は施設の一部を保育園としているらしい。
ランチのあとはゆっくりと山頂まで進んだ。ツールド草津は4月。いつも雪景色の中を走っていたので今日の茶色と緑の世界は新鮮だった。空気は冷たく風も涼しいが登り始めると額から汗がたらたら。一か月以上の自転車の遠乗りをしてなかったせいか足が重い。背中も痛くなってきた。途中で何回も止まってしまった。レースの時は1時間以内で駆け上がっていたがこの日はなんと1時間20分かかってレストハウスに到着。食堂にはそれなりの客がいた。 外にでると、初老のご夫婦が白根山の看板の前で「百名山達成」のバナーと共に記念写真を撮っていた。誇らしげに写真を撮ったあともしばらくその場でバナーを持ったままだった。多いですね、こうした中高年の百名山。
    
ここはまだ最高地点ではない。目指すは2172mの日本国道最高地点となる渋峠。レストハウスからは一旦下ってから200mくらい登りなおす。自転車に体がなれてないせいか多少疲れてきたがひたすら黙々と登った。 そしてようやくのことで最高地点。  群馬県から長野県に入るここからはひたすら下りが続く。さすがに展望がひらけている。もう楽しくて仕方ないという感じだ。快適なスピードでぐんぐんと下る。平日のせいか車もほとんど走ってない。ライダーのお兄さんに写真を撮ってもらった。かなり訛っていたけどどこでしょう。
    
ひたすら下った。志賀高原のいくつかのスキー場を通過してひたすら快適に下って平地についてもひたすら下り基調。北信濃はかくれたお米の産地だそうだ。たわわに実った稲がもう少しの時間をかけて収穫を待っている。
この辺からは数年前に直江津までの本州縦断をした時のルートに合流だ。あの時は千曲川サイクリングロードを中心に走ったが今回は通称オリンピック道路とよばれる292を走った。ここも直線の下りがひたすら続く。飯田市に入ると千曲川が見えてきた。


飯田市街に到着が4時ころ。予約した旅館に入るのはまだ早いので市内を散策。飯田市内は過去に自転車で二回通過したことがある。単なる通過で仏壇通りだけが印象深い。ここは寺と雪の町。冬は雪が深い。そして多くの寺が並んだ一角がある。山を背にして小規模な寺が並んでおりその前の飯田街道の両脇には仏壇店が並ぶ。ここを仏壇通りと言う。雪に備えた木製の雁木が舗道を守っている。雪国だ。
    
 
このお寺を巡っているときにある寺で住職の奥様とおぼしき初老のご婦人が庭仕事をしていた。いろいろと話をした。飯山市のこと、どこから来た、どこに行く、、、、いろいろと話しているうちに。
「失礼ですけど、おいくつですか?」と来たので正直に応えたら、
「あら、お体を大事になさってくださいね」
とたしなめられた。はい、十分に理解しております、と答えておいた。
引き続いてふらふらと走っていくと高校があった。田舎の高校生は良いですね。素直で。しっかりと受け答えしてくれた。
この日は予約した市内の旅館。古い建物、入るとすぐに畳の帳場があっておかみさんが迎えてくれた。スリッパがふたつ揃えてあったので今晩の客は私以外にもう一人いるようだ。近くには野沢温泉などの温泉があるが市内には温泉がないのでここも普通の風呂。トイレも共同。民宿みたいだ。でも居心地がいい。安心して宿泊できるのでいい。料理もふんだんに出してくれて十分満足。若主人が地酒を二本持ってきてくれて試飲させてくれた。気に入った方の地酒を頂いた。「水尾」の本醸造。 いい気持ちでゆっくりと寝た。

 

 翌日に続く