秋葉街道   2008.10.11-12

長野県の茅野から静岡県の浜松までのかつての塩の道。秋葉街道200km。

何年も前から希望しながらも実現しなかった秋葉街道に漸く行くことが出来た。
出発点の茅野までは早朝の鈍行を乗り継いで行き8:30頃に出発。秋のさわやかな空気が心地よい。
10分程でまずは前菜としての杖突峠(1245m)。茅野から500mの登り。まずまずのペースで40分。ここから高遠までの長~い下り20Kmはアスパラガス、帆立貝と蟹のサラダを味わったあとの余韻を楽しんだかのような感じ。
高遠は桜で有名。いつか来たいと思っていた町だがそっけなく通過。
街道沿いの集落をいくつか通過するとすぐの次の分杭峠(1427m)の登りが始まる。メインディッシュの前のスープみたいなもののはず。高遠からは650mの登り。長かった。高遠から1時間20分。スープをどんぶりで飲んだような感じがした。しかも、静かな秋の峠を想像していたが案の定、観光客の車が多数駐車してあった。ゼロ磁場の特殊な「気」を感じる場所が近くに発見されてからの観光スポットになっているらしい。http://bungui.fineup.net/
分杭峠からは800mのダウンヒルで大鹿村。あっという間だ。ここで昼食。近くの小学校では村を挙げての運動会が開かれていた。食堂の中年夫妻は孫が参加するのか気もそぞろ。一時前だと言うのに新たな入店客を追いかえす勢い。我々も一旦は入店を断られたが二回目には入れた。やれやれ。はやばやと店じまいしていた。
さて、ここからが本日のメインディッシュである地蔵峠(1330m)経由のしらびそ峠(1833m)への登りの始まり。
大鹿村から地蔵峠までは660mの登り。地蔵峠は峠と言いながらも通過するとすぐにしらびそ峠の登りが始まるのでしらびそまでの単なる通過点と言った感じ。車はここから先は通行止め。ここまで来ると秋の気配がたっぷり。紅葉も始まっている。
しらびそ峠までは地蔵峠からは500m。大鹿村からは合計で1160mの登り。二時間半かかった。峠に付く頃は雲が増えてきた。眺望もあまりきかない。遠くの南アルプスの山々が見えるはずだが今日は無理。その昔、山を始めた頃に登った荒川三山を眺めることを期待してたが残念。


メインディッシュが終わったと思ったらまだあった。しらびそ峠からさらに上に道が伸びている。瀟洒な「ハイランドしらびそ」http://shirabiso.com/までさらに70m程を登らないといけないらしい。距離にして600m。ここが辛かった20%近い急斜面はメインディッシュの後にさらにスペアリブがでてきた感じ。十分満腹でした。
さすがに気温は低い。そそくさと今夜の宿をめざして下った。急斜面を九十九折れの道を慎重にくだった先は日本のチロルと呼ばれる上村下栗の集落。http://www.dia.janis.or.jp/~simoguri/
しらびそからここまで下るときにローディー2人。キャンプ用品満載のMTBが1人が登っていた。彼らに脱帽。とんでもない急登だ。あの和田峠が延々と続くような感じ。我々は下りでよかった、しみじみ。
民宿ひなたは下栗にある民宿。4人の家族客と3人のバイク野郎が同宿。宿は初老の女性がまかなっている。玄関を入ると大きな立派な囲炉裏がある。昔の懐かしい茶の間だ。食事はみな隣にあるまさに猫の額ほどの畑で採った野菜が中心。暖かくもてなしていただきました。
翌日13日は南信濃村まで300m下る。これから最後の峠があると言うのにどんどん下るので不安になった。南信濃の交差点でルート確認のために止まっていたらそこにいた中年の女性が案内してくれた。ついてに「まぼろしの饅頭」が近くにあるよといって観光地図までくれた。好意に報いたいとのことでそこに行って見た。たしかに美味しい。お土産に買った。
さてここからが秋葉街道最後の登り。本来の秋葉街道は青崩峠を行くがここは登山道があるだけ。車は勿論、自転車も押しになる。エスケープとしての兵越峠(1180m)があるのでここに進んだ。南信濃村からこの峠までの780mの登りが今回一番辛かった。1時間20分の登り。GPSでは峠まで直線距離で3Kmを示しているが実際の道は回り組んで10km以上。苦労して登ったわりにはそっけない。道標もない。観光案内があるだけ。とにかく登りは全て終わった。
兵越峠からは延々と50Km以上のダウンヒル。10月とは思えない暖かさの中を爽快に飛ばした。30km位下ると町並みが見えてきて流石に車も増えてきた。秋葉街道は続くが雰囲気は普通の道になってしまった。ちょっと残念。
途中で昼食。浜松駅には2時に到着。
マイミクさんが秋葉街道の基点を示す道標があると書いていたので浜松駅に行く前にこれを探してみた。通行中の何人かにも聞いてみたが判らず。結局みつからず。この道標が浜松まで行くモチベーションになっていたので非常に残念。いつかこれだけでも見に行きたいものだ。
あこがれていた秋葉街道。静かないい道でした。アップダウンが予想以上にあった。それでもその後のダウンヒルを体感すると十分に価値がある。
同行のO氏には感謝します。峠ではいつも10分以上早く着いて待っていたことでししょう。